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オンラインノベルRPG「螺旋特急ロストレイル」の個人的ファンサイトです。リンク・アンリンクフリー。

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プロフィール
HN:
カツキ
性別:
女性
自己紹介:

ツクモガミネットに愛を捧ぐ(予定)のPL。
アクション・スプラッタ系のシナリオを好む傾向にあり。超親馬鹿。


当家の面子
鰍(カジカ):
コンダクター。私立探偵のはずだけど現状はほぼ鍵師扱い。銀細工とか飴細工が得意の兄さん。名前がコンプレックス。

歪(ヒズミ):
ツーリスト。三本の剣を携えた、盲目の門番。鋼の音を響かせて舞う様に戦う、人と同じ姿の異形。

灰燕(カイエン):
ツーリスト。白銀の焔を従える、孤高の刀匠。刀剣と鋼の色を愛し、基本人間には興味が無い。人として危険なドS。
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掌編。
或る天使と、一人の少女の話。






 <天使>の腕に抱かれた少女は、最期の瞬間とても幸福そうだった。
 素直に毒を飲み下して、優しく抱き締め返してくれた。てんしさま、ないているの?舌足らずな口調で、そう問いかけてくれた。大丈夫、泣いていないよ。そう応えたら、嬉しそうに笑ってくれた。




 ありがとう








       を伝える前に、少女は息を引き取っていた。



 少女の死を確認した直後、<天使>の顔を封じた。凍った眼差しで、証拠が残っていないか周囲を見渡す。毒が入っていた瓶をポケットに仕舞って、少女をベッドの中に横たえた。
横たわった少女を、冷めた瞳で見下ろす。
 後悔は、していない。謝罪の言葉も、口にしない。この罪は、この魂が消えるまで抱えていくと決めたから。
 少女の栗色の髪を、優しく撫でる。元から白かった頬は、血の気を失って青みを帯びている。それでも、少女は変わらず愛らしかった。
 <天使>の顔に戻って、微笑んだ。届く事のなかった言葉を、もう一度呟いて、


 その額に、最後の祝福を。



 胸元のペンダントを握り締めて、その場を去った。

 背中の傷が疼く。在りもしない翼が、焼ける様に痛む。
 それは、<天使>としての最後の良心だろうか。

 

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