忍者ブログ
オンラインノベルRPG「螺旋特急ロストレイル」の個人的ファンサイトです。リンク・アンリンクフリー。

WRITE | ADMIN

カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
リンク
プロフィール
HN:
カツキ
性別:
女性
自己紹介:

ツクモガミネットに愛を捧ぐ(予定)のPL。
アクション・スプラッタ系のシナリオを好む傾向にあり。超親馬鹿。


当家の面子
鰍(カジカ):
コンダクター。私立探偵のはずだけど現状はほぼ鍵師扱い。銀細工とか飴細工が得意の兄さん。名前がコンプレックス。

歪(ヒズミ):
ツーリスト。三本の剣を携えた、盲目の門番。鋼の音を響かせて舞う様に戦う、人と同じ姿の異形。

灰燕(カイエン):
ツーリスト。白銀の焔を従える、孤高の刀匠。刀剣と鋼の色を愛し、基本人間には興味が無い。人として危険なドS。
最新コメント
アクセス解析


忍者ブログ [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




掌編。






 天使は、焦点の定まらない瞳を掃除屋に向けた。

 その瞳に、掃除屋は違和感を覚える。「映画」の中での天使は、こんなに暗い瞳をする青年ではなかった。常に飄々と微笑み、仕事――神の監視など放っておいて本屋に入り浸る不良天使、それが映画での彼の役所の筈だ。
 同じ俳優が演じた、違うムービースターだろうか。
 しかし、無駄のない見事な上半身を晒す彼の背中には、見覚えのある傷痕があった。映画の中で見た記憶がある、彼が天使である証。
 掃除屋は溜息を吐いて、口を開いた。
「――映画以来だなァ、天使?」
「……てんし、」
 天使は呆然としたまま、鸚鵡返しに掃除屋の言葉を繰り返した。言葉の意味を理解できていないのだろうか。
「ん? それとも、狩野 亮祐が演じた他のキャラクターか?」
 紫煙を吐き出し、口角を吊り上げた不敵な笑みで問う。唐突に出された名前に、青年は何の反応も示さない。役者本人説は、消えた。
 虚空を見上げ、天使は逡巡する。ややあって、視線を掃除屋に戻した。
 その瞳が不適に微笑んでいるのを見て、掃除屋は安堵の微笑を零す。これこそ、青年のあるべき姿だ。

「……いや、おれは<天使>さ。……あんたの知っているおれと同じかは、わからないけど」

PR


※ Comment
HN
TITLE
COLOR
MAIL
URL
COMMENT
PASS


※ この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:



Powered by 忍者ブログ  Design by まめの
Copyright © [ 無声慟哭 ] All Rights Reserved.
http://asurablue.blog.shinobi.jp/